2020.9月号

 「ベツノマスク」

 

第2波と第3波とも言われているコロナ禍が中々収まらず、その対策に世界が右往左往しています。大阪府知事が消毒効果のある「ポビドンヨード」を含むうがい薬の使用を府民に呼びかけたことで、日本中の薬局から「うがい薬」が消えてしまったことは記憶に新しいですが、フィリピンのドゥテルテ大統領は「マスクはガソリンで消毒すればいい」と発言し我々が扱っているガソリンも買い占めに走られるのでは…と心配しましたが、日本ではそんな買い占めはおこらず、そもそも、ガソリンには消毒効果は確認されていないどころか、吸入すると体に有害なため、マスクにガソリンをかけるのは絶対にやめたほうがいいと思います。

やはり、今のところ効果的な予防方法は手洗いとマスクなのでしょうが、このマスクも現在、世界最大の感染者数がいるアメリカでは「自由の侵害」と強固な反対派がデモまで起こしており、法律でマスクの着用を義務化しないと、コロナ禍は今後も続くだろうと言われています。

日本では首相の名前がマスクにつけられるほど、マスクの着用に対する意識は強いのですが「アベノマスク」の追加配布は、配布予定先からも要らないとの声を受けて取りやめとなり、最近では首相自身も「ベツノマスク」を着けています。良かれと思って対策したら非難され、対策しなかったら非難される、リーダーというのは世界どこでも大変ですが、それも期待されているということでしょう。

ニューズウィーク誌のジョークでは「各国の人にマスクを着用してもらうにはどうすればいいのか」という記事がでていました。

 

・アメリカ政府は「マスクをする人は英雄です」

・ドイツ政府は「マスクをするのがルールです」

・イタリア政府は「マスクをすると異性にモテます」

・日本政府は「みんなマスクしていますよ」

 

日本人の民族性の1つとして「集団主義」で「空気を読む」という表現も定着していますが、周囲の状況や雰囲気に対して自分の行動を合わせていくというのは、日本人らしくもあります。今回のコロナ禍では予防としてこの集団主義はいい結果を生みましたが、これもいきすぎると過剰な行動になってきます。

相手はホコリよりも小さいウイルス、予防は大切ですが、100%の予防は不可能です、もし自分が感染してしまった場合を考えると、感染した方を責める社会にはしたくないものですね。

                                           魚谷 直世 記

 

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