2020.5月号

 「大丈夫だぁ~」

 

毎日「コロナ、コロナ」とうんざりですが、今や世界中で深刻な問題となっている新型コロナウイルス。自由に旅行も出来ず、これ以上の感染拡大を防ぐため、オリンピックは延期、学校は休校や卒業入学式の縮小、各イベントの中止等々、対岸の火事と思っていた3カ月前から、今では考えられないような出来事が次々と起きております。

特に政府の自粛要請によって、アーティストや俳優といった芸術芸能の仕事は激減しており、ある劇団員のインタビューでは「演劇は人々を元気にしたり、慰めたりするものだと思っていたが、人が生きていく上で、必要のないものだということが思い知らされた」このような状況だからこそ、本来ならばこういった音楽や映画、演劇が必要となるはずですが、今は人を集めることで、感染を拡大させるのは避けなければなりません。

人間は過去の歴史で幾度ものウイルスとの戦いに必ず勝利してきました。コロナ終息の日までは研鑽を積んでもらい、終息の際には、今以上にそういった芸能芸術を楽しめればいいのかと思います。しかし、もはや終息しても見ることができなくなった芸能人もいます。329日に亡くなった志村けんさん、私も小さな頃からテレビで見ていた人だけに、残念よりも親戚が亡くなったような喪失感がありました。

志村さんの言葉で「いろんな人たちを遊びの場で見てきた。思うのは、人生は不公平だということ。若い時からずっと恵まれている人もいる。急上昇して急降下する人もいる。ずっと恵まれない人もいる。ただし、ひとつ言えることがある。ずっと恵まれてみえる人は、皆必ず「努力している」ということだ。例外なくね」色々な追悼番組がありますが、志村さんの人柄を紹介する時は必ず「努力家」という言葉が出てきます。1972年のデビューから約半世紀、移り変わりの激しい芸能界で生きていくため、努力の大切さを一番よく理解していた人だったのではないでしょうか。

どんな人も、世の中に不公平は感じると思います。しかし、人は生まれてすぐ家も、顔も、背も違う、人は不公平から生まれてきます、それを嘆くばかりで行動がなければ、その人はずっと不公平な人生なのだと思います。「努力」という言葉は最近あまり聞かなくなりましたが、志村さんの死によって改めて努力の大切さを感じました。

ありがとう志村けんさん。ただ早すぎるよ…

                                           魚谷 直世 記

 

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