2020.12月号

 

 今年も早いもので年末が近づいてきました。毎年この時期に気になるのが流行語大賞で、いつもは一年を振り返り今年がどんな年だったかを思い出させてくれます。しかし、今年は思い出すまでもなく、ノミネートされた言葉の半分以上をコロナウイルス関係が占めており、コロナ一色の年となってしまいました。

 まだ今年の1月は対岸の火事、SARSMERSのように中国の国内での問題として収束すると言うのが、多くの見方でしたが、わずか数ヶ月で世界的なパンデミックが発生、1918年のスペイン風邪に次ぐ「100年に1度レベルの厄災」となってしまいました。

 世界中の国にとって大変な1年となり「困った時の神頼み」来年の初詣は参拝する人の数が増えるのではないかとの予想もありますが、これは日本人だけでなく世界中の人々も同じで、自然災害や病との戦いで人々は神仏を拝み、禍を終息させようとしてきました。

 ロケットが宇宙に飛び、自動車が自動で運転する世の中になってもこの傾向は変わらず、むしろ科学の発達した現代だからこそ、科学では解明できない神仏的なものに人は引き寄せられてしまうのかもしれません。

 ちなみにある調査によると神社仏閣を一番多く訪ねる職業は「会社役員・経営者」で約80%もの社長さん達は熱心にお参りするとのこと。「経営の神様」松下幸之助氏は三重県の椿大神社を「海賊と呼ばれた男」出光佐三氏は福岡県の宗像大社を熱心に参っており、意外なことに現代のIT経営者にも神頼みをする人が多く、ソフトバンクの孫正義社長も神社への参拝は欠かさないといいます。

 今日までの成功は神様のお蔭と感謝の気持ちからか、神様に願いを叶えてもらいたいとの期待からか、不安な気持ちを落ち着かせようと一種のリラクゼーションなのか、人それぞれでしょうが、とにかく心のよりどころが欲しいという気持ちはよくわかります。坊主も走るで「師走」年末年始、神社仏閣は混み合いますが、やはり「密」は避けたいところ。

 最近では会議も飲み会もオンラインが流行りなので、ZOOMでお経を上げて頂き、YouTubeで初詣、お賽銭はPayPayで、日本の神様、仏様は心が広いのでそれぐらい許してくれないかなぁと思ってしまいますが…

                                             魚谷 直世 記

 

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