2019.4月号

 「ペイペイ…」

 

 スーパーやコンビニで小銭を減らすため、財布をジャラジャラというのは、よくある光景と思いますが、この小売店でのお会計が全てキャッシュレス決済になった場合、利用者としては混雑も少なくなり、かさばる財布を持たなくてもよくなります。又、お店側としても、売上金やお釣りの管理、運送コストが掛からないだけでなく、決済がスムーズになることにより、レジの台数を減らすことができ、人件費の削減にも繋がるため、その分小売価格を安くすることも出来るかもしれません。

 このようにいいことだらけに見えるキャッシュレス決済ですが、他国のキャッシュレス決済比率と比べると、韓国89%、中国60%、米国45%に対して日本は18%とまだまだ低い水準にあり、政府は他国への「遅れ」を取り戻そうと、10月の消費税増税時の景気対策としてキャッシュレス決済した場合は最大5%をポイント還元する等々キャッシュレス化を進めようとしています。

 しかし、先日のある新聞コラムでは「他国への<遅れ>という表現は、それを進めることが正しいという前提に立っています。キャッシュレス化が進むことで、あらゆる分野が効率的にはなるとは思いますが、姿や形が見えない<電子通貨の世界>になることが、絶対的に正しく、必然性があるのかと言われると、何か別の意図を感じており、中国で言うならば、急速なキャッシュレス化は国家権力による監視を容易として、国民一人一人の資産を掌握したいという考えが見えてきます」という意見もあり、日本でも少し前のニュースで大手ポイントカードの運営会社が個人情報や購入履歴を捜査機関に渡していたというニュースがありましたが、キャッシュレス化が進むと購買履歴から、その人の好みや位置情報等々、様々な個人情報が管理されることになり、管理側の統制や誘導がされやすくなるのは事実なのかもしれません。

 どちらにしても、世界一の高齢者国であり、災害大国でもある日本でどこまでこのキャッシュレス化が浸透するのかは専門家によって意見が分かれるところではありますが、「LINE Pay」「Pay Pay」等々多くの決済システムがある中でどれが主流になるのか早く決めてほしいところ、個人的にはコンビニに行ったときに女性店員に「ペイペイで」というのは恥ずかしい、というか通報されそうなのでやめてほしいところですが…。

                                            魚谷 直世 記

 

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