2017.4月号

 

「たかが1票、されど1票

 

 先日、市立根室病院が4月より分娩再開するとの報道がありました。当面、第二子以降の出産受け入れに限られますが、約10年ぶりに根室で出産が可能となり、少子高齢化で人口減少が続く根室にとって久しぶりに良いニュースとなりました。私も一昨年に次女が生まれ、その際は中標津町で出産をしましたが、根室から90kmの距離を毎月14回通い、臨月にはすぐに運転できるようにとお酒も我慢し「市でありながら隣の別海町や中標津町に通わなければならない」と同じような境遇の旦那さんとよく愚痴をこぼしていました。

 全国的にも産科医は不足傾向にあり、出産できない街というのは多くありますが、どの街もその対応には苦慮しており、医師不足という問題はすぐに解決する見込みはなく、それどころか現在もお産に関わるお医者さんは減少傾向にあるため、この問題は単純に医師の一時的な確保だけでは将来的に問題を解決したことにはなりません。

 この医師不足と少子化を直接結び付けるわけではありませんが、国内の少子化は深刻さを増しており、1人の女性が出産する人数の平均「出生率」は日本で1.45と低く、一方他の先進国はアメリカ2.1、イギリス1.9、フランス2.0と様々な政策により高い水準を維持しており、出生率は後進国程高くなる傾向にあるため世界的に見ても日本は特に少子化が進んでいます。このままでは経済力の源となる人口が減り、現在の経済大国としての立場を失うばかりか、年金等国内の福祉制度も成り立たなくなり、世代間格差が大きくなるため政治的な安定を失うことになります。

 特にこの世代間格差は深刻で高齢者と若年層の投票数は、若者の投票率が低いことから、圧倒的に高齢者が投票数を持っており、政治家も若者よりも高齢者重視の政策をとる方が票をとりやすくなります。今年の秋には市議会議員選挙がありますが、自分の「たかが1票」と考えるのではなく、街や国の未来はその「たかが1票」の集まりで出来ています。ぜひ未来のため投票は行きましょう。

                            魚谷 直世 記

今回の店主雑感のご意見、ご感想等お願いいたします。

コメント: 1
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    東峯夏樹 (木曜日, 06 4月 2017 06:20)

    こんにちは、いつもお世話になっております。非常に面白かったです。