2016.8月号
「英国、EUやめるってよ 」
6月行われましたイギリスの国民投票の結果、EU(欧州連合)の離脱が決定しました。予想もしない結果に、世界経済は即座に反応し1日で世界の株式時価総額は3.3兆ドルが消失したといいいます。ちなみに私も毎月のお小遣いを株の投資で運用しており、こつこつと貯めたヘソクリが消失したといいます。
世界経済にも私のお財布にも大変残念な結果になりましたが、はたしてこの衝撃がこのまま収束するのか、拡大するのか。様々な専門家が様々な予測をしていますが、今回の英国EU離脱を予測した専門家はほぼいなかったため、どの予測も憶測に過ぎなく、この影響はまだまだ未知数と言えます。
離脱に投票した人の中にも困惑が広がっており、国民投票のやり直しを求める署名が増え続ける中、離脱派を牽引してきたボリス・ジョンソン元市長は早々に首相候補から手を引きました。離脱派の中には実情よりも心情な部分で投票した人も多かったようで、あるインタビューでは「日本人だって国会が中国にあり、最高裁が韓国にあったらイヤでしょう」と確かにその気持ちもわからなくもありませんが、EUという枠組みにいた中でこのような心情だけで離脱派が勝るならば、愛国者というよりも、狭量な国粋主義者が多い国なのだと世界は見ると思います。教養や思慮があるとされている人たちの予想が外れ、望んだ結果を得たはずの人々が困惑する。
我が国でも間接選挙である、参議院選挙が終わり、直接選挙の東京都知事選に話題が移っていますが、その候補者は話題性ばかりが強調され、地方行政と国政の違いすらわからないタレント候補者も多いように感じます。東京都民も行政の舵取りを担う人間と、ただの人気投票は違うということを理解してほしいところではありますが、直接選挙というのはこのように情報が氾濫する現代だからこそ、冷静な判断を鈍らせる結果が出てしまうのかもしれません。
いずれにしても地方に住む我々には、ロンドンどころか東京すら対岸の火事と見てしまいがちですが、実体経済は着実に我々のような地方にも株価や円高によって影響を与えることは間違いありません。人口減少少子高齢化が進む中、地域の団結はますます必要となります。
魚谷 直世 記