2016.5月号

 

A LUCKY the SUN

 

 このように毎月コラムを書いていると、一年に一度この時期は何を書いていいのか困る時があります。出張が多く、刺激の多い日があった場合はあまり悩むことなく、早ければ30分ほどで書き終えるこのコラムも、この時期は年度末年度初めと会社にこもることが多いため、人と会う機会が少なく、何かを書くヒントが少ない時期です。

 今日こそ書こうと思っては、やはり明日にしようと先延ばしし、ついに締切間近となって、パソコン前で長時間悩むことになってしまいました。早く書き、優しい妻と可愛い我が子のいる家に帰りたいと思う気持ちとは裏腹に、何かネタはないかと友人のブログを見て時間を潰してしまうのが常です。最近よく見るこの友人のブログは自他共に認めるどうでもいい内容のブログで実生活には1mmも役には立たない内容ですが、家族のことを中心にほぼ毎日のように更新されており、よく書くことがあるなと感心しています。

 この友人とは年も違えば、職業も違い、同じ根室にいながら私とは全く接点のない男ですが、とある団体で一緒に活動することになり、常人とはかけ離れた発想力を持つこの友人を私は勝手に「根室一の天才」と言っています。その天才の友人がなぜ家族ばかりのブログを始めたのか聞いたところ、子供の成長を記録する際、画像や映像で残す人がほとんどだと思いますが、親としての子供に対する思いや、愛情というのは目に見える形で残すことは難しいと思います。しかし、ブログという形で画像と共に文章を時系列で残すことにより、子供が小さな時に親としてどのような思いと気持ちで接していたのか、その年齢の時にどのような状況だったのかをブログはインターネットがある限り半永久に残すことができ、パソコンさえあればいつでも見ることが出来ます。

 ブログは公開する日記とも言われておりますが、他人に見せるためだけがブログではないと改めて感じました。親の気持ち子知らずとはよく言いますが、普段あまり家にいることがなく、話す機会も少ない働く世代の我々父親にとっては、記録に残す愛情というのも必要なのかもしれません。そんな父親の愛情溢れるブログ「A LUCKY the SUN」ぜひ一度見て下さい。見て後悔すること間違いありません。

                                           魚谷 直世 記