2015.11月号

「不易流行


㈱ナオエ石油の新年度である101日より正式に弊社の代表取締役となりました。まだまだ未熟ではありますが、今後とも社員一同、日々成長し社業に励んでまいりますのでご指導、ご鞭撻の程お願いいたします。当初の予定ですと、昨年に就任の予定でしたが、処々の事情により本年まで延期となっていたもので、就任の朝一番に思ったことは情けない話ではありますが「これでもう親父のせいに出来なくなったな」ということです。親子ながらあまり性格は似ていなく、根室の大塚家具とも言われた程の仲でしたが、私の暴走を止めてくれる唯一の人であり、今思い返すと都合よく仕事の責任を押し付けていたような気がします。

世の中には責任を自分で負う「自責」が出来る人と、悪いのは他人のせい、環境のせい、自分は悪くないという「他責」の人がいますが、将来的に成長が望めるのは当然のことながら「自責」の出来る人です。我々の商売で言うならばガソリンが売れないのは、近くに安値量販店があるせいだと言って他者に問題を押し付けるのは簡単なことです。しかし、人のせいばかりで自分や会社が変わることが出来なければ、周りの人や環境が変われるはずはなく、自責から他責に逃げれば逃げるほど問題は大きくなります。私はそのような人間ではなく、自責が出来る人だと思っていましたが、何気なく思い浮かんだ「親父のせい」という言葉に自分はまだまだ他責で未熟な部分が多いなと自戒からのスタートとなりました。

新年度になり特段大きな変化もなく淡々と仕事は進んでいますが、自らの責任の下で事業を行うのはやはり物事に対し慎重になり、会社を空ける時間も減った気がします。私の友人の中には会社の大小に関わらず私よりも若くして社長になった人が数人いますが、どの友人も一種の覚悟のようなものを持っているような気がして「俺もいつか」という嫉妬に似た感情もありました。しかし、このような感情も他責の考えがあるからであり、目指すべき目標を間違っていたのだな改めて感じるところです。我々の社是の中に「お客様・取引先・銀行・社員そして家族に信頼される会社」というフレーズがあります。会社の変革期の今だからこそ、我々が持つ会社の理念を大事に不易流行の精神をもって社業に励んでまいります。

                           魚谷 直世 記