2014.1月号

「言 霊」

 

今年の世相を映した言葉を選ぶ流行語大賞が「じぇじぇじぇ」「倍返し」「今でしょ」「おもてなし」史上最多の4語が選ばれました。「じぇじぇじぇ」も「倍返し」も放送の時間帯が合わなかったのでドラマは見てはいなかったのですが、私も昔お世話になった東進衛星予備校の林先生「今でしょ」は我々も「タイヤやオイルいつ替えるの?」「今でしょ!」といった具合に現場では大活躍でした。又、東京五輪招致プレゼンで見せた滝川クリステルさんの「おもてなし」は、もてなす側の東京都知事が医療法人から「おもてなし」を受けていたのではないかと疑惑がでており、おもてはなしだけど「裏はあり」というところでしょうか。

このように今年は多すぎる気がしますが、毎年多くのの流行語が生まれてきております。この日本人の流行語が好きというのは古来よりの「言霊信仰」が根底にあるからではないでしょうか。「言霊」とは言葉に宿る魂のことで、声に出した言葉は現実に影響を与えるとのことです。身近な例ですと結婚式で「別れる」「壊れる」等々の忌み言葉を発してはいけないというのも言霊信仰ですし、人が持つ名前には使命や役割があると言われ、昔の日本人は心を奪われるからと本名は明かさず、位の高い人は役職で呼ばれていました。現代でも目上の役職の方を「社長」「部長」と呼ぶことが多いのはその影響とも言われています。

 「言霊」はいい言葉を発すると良いことがおこり、不吉な言葉を発すると凶事が起こると考えられ、運のない人や近寄りがたい人というのは「暑い、寒い、辛い、忙しい」等々の後向き言葉を発しがちです、運の強い人は「大丈夫、ついている」前向きな言葉しか発していないとのこと。この家業雑感を書き始め一年が経過し慣れから、愚痴や不満を書くことが多くなってきましたが、今一度気を引き締め、来年の目標は「運の強い人になる」でいきたいと思います。

 来年もぜひ皆様の前向きな言葉でご指導ご鞭撻の程、宜しくお願いいたします。

                                           魚谷 直世 記