2014.11月号
「運がいい人」
先日、ある会議にて福岡の辛子明太子で有名な株式会社ふくやの川原社長からお話をお聞きする機会がありました。そのお話の中で商売において成功の秘訣を言うならば「運が良かった」ということです。
辛子明太子を始めて開発し、いまや福岡市から全国隅々にまで発信されるブランドともなった「ふくやの明太子」その秘訣は「運が良かった」というのは驚きましたが、横綱の白鵬関を例に上げて、どの分野、どの職業においても成功している人の共通点は「運がいい人」なのだそうです。
では「運がいい人」になるにはどうしたいいのかと言うと、まずは近くにいる運のいい人と付き合うことです。いつもニコニコと笑顔を絶やさない人、前向きな発言をする人の周りには人が集まります。逆にいつも無愛想で愚痴の多い人や人の悪口ばかりを言う人にはいくらお金を持っていようとも他人からは尊敬はされないかと思います。端的に言うならば人の集まる人は運がよく、人が集まらない人は運が悪いということになり、人が持つ「人間力」が高いか低いかによって物事が成功するか、しないかが大きく変わってくると思います。この「人間力」を高めるには、いつもの日常を繰り返すだけでは感性を磨くことは出来ません。非日常を体験することによって瞬間的な感性を磨くことが必要となります。普段行かないような場所で行動をしてみたり、世代が違う人、業種が違う人との会話や交流から学ぶ姿勢を持つことが大切なのではないでしょうか。又、川原社長は「運がいい人」には「私心」がないとも言います。「受けた恩は石に刻め 施した恩は水に流せ」創業者である先代の川原氏が実際に言っていた言葉で、言葉の通り辛子明太子は川原氏が作ってから特許をとるどころか、その製法を公開し他の会社に教えて回りました。結果として原料のタラコは北海道産でありながら、辛子明太子として福岡市に定着し2,000億円ともいわれる市場規模に発展しました。自分の利よりも他人の利を優先する「利他の精神」この精神が近年の日本人には失われつつあり、長い不況を抜け出せない一因なのかもしれません。
魚谷 直世記