2011.12月号
高齢化社会という名に、都合の良い時には、響きが心地良く感じられる68才になり、65才で第一線を引退すると広言し、今は70才でと内輪で語り、三度目の正直は何才と言えば、お客様、そして銀行、仕入先、一番大事な社員達は、ウンウンと納得していただけるものなのだろうか。息子に35才まで、人間学を学ぶために世の中の流れに乗らなくても、あせらなくても、健康と家庭を大事にして好きなようにやってごらんと格好の良いことを言ってしまった手前、青年会議所活動に走り出してしまった愚息をストップさせるわけにもいかない。本心を言えば同友会運動をもわき目も振らずやってごらんを言おうとしたのだが、それも一つの道なのだからと達観はしている。では我が家業のTOPは、まだやれという息子なりのサインなのか。そうすると、後がない3回目の決めごとは、71才を限度とする約定書を交換した。いつもなら、悪いのですが、将来の展望は男性社員ばかりを眺めて話をしてきた。しかし、今回はふと、私があと2~3年頑張る決意をしたら、女性社員の年令バランスはどうなるかと思い彼女らの顔を見たら、長いつきあいの中で、女性は年をとらないのだと勘違いの中で生きてきたことが彼女らの横顔から見えてきた。今も海が時化のような中で会社を漕ぎ出している感もするが、若い時から一緒にボロ舟に乗ってきた仲間である。時には、弱り目になった折は、女性スタッフの方が、がんばりましょう、ここが勝負時ですよと、弱気になったTOPを励まし、男の同僚達に叱咤激励を飛ばすのも多くは女性社員達の時代があり順調より逆境に強いなと感じさせられる面があった。男達は波に乗ると、それいけドンドンだが、ちょっとの嵐でも、すぐ下船をしたがるスタッフも、いないわけではなかった。その戦友達の励ましの中で荒海をなんとかしのいできた。中小企業が荒海の中を航海していくには次のたくましい粘り強い特色のある女性スタッフをも育てていく必要がある。ただPCを操るだけの女性スタッフなら急づくりにこしらえるが、お客様の声を聞き、仕事の声にしていく力量をつけるには時間が必要です。高齢化が少し進んでいる女性スタッフと共にがんばるか。
(魚谷 直孝 記 )